下顎臼歯部少数歯欠損インプラント症例ケース01

右側第2大臼歯欠損(50歳代 女性)

近心に46番の天然歯があり、手術時にドリリングの起始点が見にくい。
また、46番の歯根との距離が近くなるため、フリーハンドでは難しい症例。
加えて骨密度も柔らかめと予想されるため、ドリリングもブレやすく埋入までサージカルガイドを使うことにより、計画した位置への埋入を正確に行うことができる。


LANDmarker(iCAT)にワックスアップを取り込み、アクセスホールの位置も確認。
補綴主導のインプラントとしての問題もないことを確認している。
LANDmarker(iCAT)ではワックスアップ部だけの表示を消すこともでき、現在の口腔内の位置も想像しやすい。


iCATより送られてくるドリルプロトコル。術前だけでなく、術中も確認を行いながらドリリングを行う。


Landmark Guide(iCAT)の京セラ対応のカスタムガイドを装着した所見、第2大臼歯の場合にはドリルが上顎の歯に当たり、ドリルをきちんと入れることができない場合がある。このような場合にはサイドエントリーがあり、非常に有用になる。


POI-EX 直径4.7mm/長さ12mm(京セラ)を埋入する計画を立てた。Landmark Guide(iCAT)を用い、的心サーキュレーションメス(京セラ)にて歯肉に円形の切開を行う。


サーキュレーションメスにて歯肉に円形の切開した所見。可動粘膜と固有歯肉の距離に注意しながら切開を行うか、サーキュレーションメスで行うかを判断する。丸くシャープに固有歯肉に切開が行われている。


サーキュレーションメスにて円形に切除された固有粘膜。


Landmark Guide(iCAT)を用い、的心ガイドドリル(京セラ)にてドリリングを行う。


ガイドに沿ってインプラント窩が形成されている。


ドリリング後、粉砕骨を生理食塩水で洗い流すなどの注意も必要になる。


インプラント埋入窩形成後、インプラントの埋入を行う。(埋入サイズ直径4.7mm/長さ12mm)


インプラント体の埋入:インプラント体がガイドに誘導されながら適切な位置・方向で埋入されているのがわかる。


インプラント埋入後の所見。EXではカラー部があるために歯肉縁下数ミリの部分でインプラント体が確認できる。


ヒーリングアバットメント装着後の所見。ヒーリングアバットメントによる止血効果もあり、出血がほとんどないのがわかる。


埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。


最終補綴物装着時の確認Dental X-P


最終補綴物装着時の口腔内所見。

本症例では抜歯後、4年ほど放置していたこともあり、十分なクリアランスが取れなかったが、上顎の第2大臼歯の挺出をこれ以上進めないために患者さんと十分に話をしてインプラントを行った。上顎第2大臼歯の補綴などのやり替えは希望しなかったが、安心して噛むことができるようになったと喜んでいただけた症例である。

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