上顎前歯部少数歯欠損インプラント症例ケース01

右側上顎中切歯(#11)欠損症例

他院で骨造成を必要といわれ、当クリニックの2倍以上の費用がかかると言われた症例

40歳代 男性

かかりつけの歯科医院で右側上顎中切歯の保存不可能(詳細不明)で抜歯された。インプラント治療にはほかの歯科医院を紹介すると言われ、紹介された歯科医院では骨造成を行い、半年後にインプラントの埋入を行うとされた。非常に高額であったのと、骨造成が本当に必要かどうか?インプラントの治療について不安を覚えたため、当クリニックを受診した。インプラント埋入に際して若干の人工骨補填は行うものの、大規模な骨造成は必要なく、患者さんは、術後約4か月でインプラント補綴により、見栄えもよくなり、なんでもよく噛めると喜んでいただけました。


LANDmarker(iCAT)の画像。ワックスアップを取り込み埋入位置を検討した。


埋入部位のCT画像。骨の厚みがしっかりあり、理想的な位置に埋入できることが分かる。


iCATから送られてくるドリルプロトコル。手順に沿って進めていく。


Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)


Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)を適合させ、サーキュレーションメスで歯肉の切開、切除後、的心パイロットドリル 直径3.4mm用(京セラ)でインプラント埋入窩を形成している。

FINESIA HA Tapered type 直径3.4mm/長さ12mm(京セラ)を埋入する計画を立てた。


Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)により位置、方向が制御される。


Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)を用い、的心ガイドドリル 2step 3.4mm用(京セラ)インプラント窩の形成を行っている際の所見。


Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)を用い、的心ガイドドリル 3step 3.4mm用(京セラ)でインプラント窩の形成を行っている際の所見。


Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)を用い、直径3.4mmの最終ドリルでインプラント窩の形成を行っている際の所見。ストッパーまでしっかりと形成することで適切な深度でのインプラント埋入窩が形成される。


FINESIA HA Tapered type 直径3.4mm/長さ12mm(京セラ)を埋入している。Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)に沿って、適切な位置、角度、深さで埋入される。


インプラントの埋入後の口腔内所見。抜歯窩にインプラント体が埋入されているのが観察できる。既存骨とのギャップはほとんどない。


ヒーリングアバットメントを装着した所見。念のために、自家骨とコラーゲン・HA複合体のスポンジ状の人工骨 リフィット(京セラ)をギャップに補填することにした。自家骨とリフィット、リフィットを細かくして自家骨と混ぜ、ギャップに填入した所見。

自家骨はドリリングの際に採取される。


手術終了時の所見。

手術内容:右側第 中切歯(#11)インプラント埋入術
埋入インプラント:FINESIA Bone Level HA 直径3.4mm/長さ12mm
トルク:10N/cm (#11)
麻酔:笑気鎮静・モニター下
局所麻酔:2%キシロカイン(1/80,000Epi) 3.6ml
手術時間:8分


埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。


印象採得時ならびに最終補綴物装着時確認Dental X-P



担当歯科技工士の中田デンタルのコメント

どのシェードガイドにも当てはまらない色調で隣在歯の象牙質の彩度と明度の発色が強く、規制のポーセレンパウダーでは再現困難であったためオペーシャス、デンチン共にA2をベースにオレンジと赤を配合して築盛を行った。

特に歯頸部のポーセレン層がかなり厚みがある形態が予測されたため、明度低下を起こさない様しっかりとオペーシャスデンチンで裏打ちをしできるだけ反対側と合うように再現した。

形態も幅が広くまた切端のガイドもあり非常に難しかったが。前歯部全体感で見ても違和感のない形にデザイン出来たと思う。


最終補綴物装着時の口腔内所見


最終補綴物装着時の口腔内所見

抜歯後の唇側の骨吸収で若干の歯肉の陥凹はあるが結合組織移植の話をさせていただくもそこまではしたくないとのことであった。技工の色合わせなど大変であったでしょうと逆に非常に感謝されました。色合いもよくなんでもよく噛めるようになったと喜んでおられます。

 

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