サイナスリフトにて骨造成したインプラント症例ケース02

左側上顎第1大臼歯部 欠損 (30歳代 女性)

他院でインプラント治療はできないと言われ、ブリッジは、臨在歯を削るので嫌だということで、当クリニックに来院した。食事の時に左側で噛めないと困っていた。サイナスリフトをすれば、インプラント治療もできることを説明した。

患者さんは、術後6か月でインプラント補綴により咀嚼機能の回復ができ、喜んで頂けた。


LANDmarker(iCAT)にてシミュレーションを実施した。

ワックスアップを取り込み補綴主導に問題ないことを確認した。


埋入部位のCT画像。既存骨の厚みが薄くソケットリフトでは骨造成が難しいことが分かる。

※青色部分は骨造成のシミュレーション。


Landmark Guide マルチガイド(iCAT)を装着した所見。2mmのガイドキーを装着している。


Landmark Guide マルチガイド(iCAT)を装着し、2mmのドリルで、インプラント埋入部位を歯肉に印記する。


2mmのドリルで、印記したインプラント埋入部位を参考に切開を加える。骨までしっかりと切開することが大切である。


粘膜骨膜剥離子による軟膜骨膜弁の作成後、ピエゾサージェリー(メクトロン)による上顎洞側壁に対する骨窓の作成。キャビテーションによる霧状水が観察できる。このキャビテーションにより術野が洗浄される効果もある。


上顎洞側壁の骨窓形成後の所見。開窓骨と周囲に上顎洞粘膜(シュナイダー膜)が観察できる。


上顎洞側壁の骨窓形成後、その開窓骨を上顎洞粘膜とともに洞内に織り込んでサイナスリフトの上端を骨とするためにサイナスリフト専用の剥離子で挙上していく。洞粘膜を傷つけないためには骨を擦るように、粘膜を骨面から剥離していくことが重要になる。


サイナスリフト専用の剥離子で挙上していく。洞粘膜を傷つけないようにさらに剥離を進める。なれると簡単な手技だが、粘膜の損傷に十分気を付けることが大切である。


挙上した洞粘膜と上顎洞の側壁の骨で作成したサイナスリフトによる天井部分の骨がインプラント埋入のドリルで傷つけないように、コラーゲンHA複合体でスポンジ状の人工骨であるリフィット(京セラ)を挿入して粘膜を上方でささえる柱とする。


マルチガイドに沿って2mmならびに3mmのドリルでドリリングを行っている所見。スポンジ状の人工骨であるリフィット(京セラ)で骨片(上顎洞側壁)と粘膜が上方に固定されているため、ドリリング時の洞粘膜の損傷を回避することができる。


3mmのSurgical Drill(iCAT)でドリリングした後、そのインプラント形成窩を広げる形でFINESIA用ファイナルドリル 直径3.7mm用(京セラ)で上顎洞底の骨を形成する。


FINESIA用ファイナルドリル 直径4.7mm用(京セラ)でインプラント形成窩を広げる。


インプラントの埋入を行っている所見。インプラントタイプ及び埋入サイズ:FINESIA HA Tapered type 直径4.7mm/長さ12mm(京セラ)である。

直視下での埋入であり、適切な深さでの埋入が可能になる。頬側の骨が吸収しているが、一部人工骨を補填する計画である。


インプラント体が埋入された後、アローボーンβ 1000μm~(ブレーンベース)を用いて骨補填を行っている。気孔率が高く優れた骨補填材であり、アパセラム-AX(京セラ)も混合している。

鼻腔側からの血流も考え、インプラントを埋入する前に鼻腔側にも骨補填を行うことが重要となる。


インプラント体が30N/cmと良好な埋入トルクを得ることができたため、1回法として4mmのヒーリングアバットメントを装着した。


頬側の骨が一部十分ではないと判断し、アローボーンβ 250μm~1000μm(ブレーンベース)とアパセラム-AX(京セラ)を用いて骨補填を行っている。インプラント体はほぼ骨内に入っているがあつみを確保することでより、確実なインプラント埋入となる。


サイナス部には1000μm~のサイズを頬側の骨補填部には250μm~1000μmの細かい骨を発補填している。


縫合後の所見。縫合糸は感染防止の観点からナイロン糸を使用している。

手術内容:左側上顎第1大臼歯(#26)
サイナスリフト同時インプラント埋入術
トルク:30N/cm (#26)
麻酔:静脈鎮静・モニター下
局所麻酔2%キシロカイン(1/80,000Epi) 5.4ml
手術時間:32分


埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。


印象採取時の確認Dental X-P


最終補綴物装着時の確認パノラマ X-P


最終補綴物装着時の口腔内所見

スクリューリテインの補綴としている。第1大臼歯は、咀嚼機能の要でもあり、その機能回復は重要である。サイナスリフトは十分な経験と確実な方法で行うことで、十分に機能できるインプラント補綴が可能である。


最終補綴物装着時の口腔内所見

他院で、骨がなくインプラントはできないといわれたが、骨造成という方法があるということを調べて、当クリニックを訪れ、インプラント治療を行い、術後は良く噛めて機能面も十分に回復でき、患者さんに喜んでいただけた。メンテナンスを含めてしっかりと口腔内の管理をするようにお話ししている

 

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