下顎多数歯欠損インプラント症例ケース03

左側下顎犬歯(#33)ならびに第2小臼歯(#35)の根尖性歯周病による保存不可と第1大臼歯欠損(#36)抜歯後2か月での待機埋入症例

50歳代 男性

左側下顎犬歯ならびに第2小臼歯の咬合痛とブリッジの若干の動揺を主訴に当クリニックを受診した。第2小臼歯からは排膿があり犬歯も根破折が疑われる所見であった。同2歯を抜歯、第1小臼歯は失活歯ではあるものの温存とした。

第1大臼歯は欠損しており、インプラントによる治療を行う方針とした。

ブリッジの切断を行い、抜歯し、約2か月でCTと口腔内の模型を採得し、インプラント埋入を行い、埋入後2か月で上部構造を装着しインプラント治療とした。

なんでもよく噛めると喜んでおられた。


LANDmarker(iCAT)の画像。補綴主導を考え埋入位置を計画。


LANDmarker(iCAT)による埋入シミュレーション画像。左側下顎犬歯(#33)

狭いスペースへの埋入、抜歯窩で柔らかい骨へとドリルが流されることを考え、サージカルガイドは必須である。


LANDmarker(iCAT)による埋入シミュレーション画像。左側下顎第2小臼歯(#35)

オトガイ孔が近く、埋入確度を誤るとマヒが起きる可能性があり、サージカルガイドを利用すればそのようなリスクを避けられる。


LANDmarker(iCAT)による埋入シミュレーション画像。左側下顎第1大臼歯(#36)


iCATから送られてくるドリルプロトコル。手順に沿って進めていく。


Landmark Guide(iCAT)の的心ガイドを装着した所見。

FINESIA Bone Level HA Tapered type(京セラ)直径3.7長さ10mm(左側下顎第1大臼歯:#36)、直径3.4長さ10mm(左側下顎第2小臼歯:#35)、直径3.4長さ10mm(左側犬歯:#33)を埋入する計画とした。


サーキュレーションメスによって、固有歯肉のインプラント埋入部位の確認を行う。

犬歯部(#33)ならびに第2小臼歯部(#35)では固有粘膜の幅がインプラント周囲に存在するが、第1大臼歯部では十分とは言えないため、同部では粘膜切開を行う方針とした。


第1大臼歯部での歯肉切開。近心の縦切開は可動粘膜に少し入る程度とすることで、可動粘膜、固有粘膜の境目で破断することが避けられる。遠心は歯頚縁切開とする。


第1大臼歯部での粘膜骨膜弁の剥離と展開。切開ならびに粘膜骨膜弁の剥離は必要かつ十分であること。


犬歯部と第2小臼歯部においてはサーキュレーションメスでの円形の切開になる。サーキュレーションメスを内筒に沿わせて挿入し粘膜、骨膜を確実に切開する。


犬歯部と第2小臼歯部においてはサーキュレーションメスでの円形の切開になる。若干の出血を認める。


第1大臼歯部のドリリング:的心ガイド(iCAT)を用い、的心ガイドドリル 直径3.7mm用ドリル(京セラ)でドリリングを行う。


直径3.7mmの的心 最終ドリル(京セラ)でのドリリング。位置や角度はガイドによって規制され、深度はストッパーにより規制されるため、シミュレーション通りの位置にドリリングができる。


左側第1大臼歯(#36)部にインプラント埋入窩形成後、インプラント埋入を行っている。

埋入サイズ及びタイプ:FINESIA Bone level HA 直径3.7mm/長さ10mm(京セラ)


ガイドの円筒に沿ってドリル上部の円筒形が沿う形で入ることでインプラントを正確な位置に埋入することができる。一方で埋入トルクはこの摩擦によって、ガイドのない場合とトルク値が異なることもあるので注意する。


左側下顎犬歯ならびに第2小臼歯部(#33,35)のインプラント埋入のためにLandmark Guide(iCAT)の的心ガイドを装着し、的心パイロットドリル 3.4mm用(京セラ)でインプラント埋入窩を形成している。


的心ガイドドリル 3.4mm用ショート(京セラ)でインプラント埋入窩を形成している。


的心ガイドドリル 3.4mm用ロング(京セラ)でインプラント埋入窩を形成している。


左側犬歯部(#33)部にインプラント埋入を行っている。

埋入サイズ及びタイプ:FINESIA Bone level HA 直径3.4mm/長さ10mm(京セラ)


左側第2小臼歯(#35)部にインプラント埋入を行っている。ガイドに沿ってインプラント体が予定された位置に埋入されようとするのがわかる。口腔内の奥で手指によるサージカルガイドの固定がなされていることがわかる。近遠心的にもサージカルガイドが固定されていることが重要である。


左側下顎犬歯、第2小臼歯、第1大臼歯(#33,#35,#36)へのインプラントの埋入後の口腔内所見。


左側下顎犬歯、第2小臼歯 (#33,#35)部にはヒーリングアバットメントが装着されている。第1大臼歯(#36)部のインプラントと切開線の関係が観察される。いかに最小の切開、粘膜剥離で埋入するかを考えて手術を行う。


左側下顎犬歯、臼歯部に埋入を行い、ヒーリングアバットメントを付けた口腔内所見。出血などはほとんどない。

手術内容:左側下顎犬歯、第2小臼歯、第1大臼歯部(#33,#35,#36)
#33インプラント埋入術:F3.4X10 10N/cm
#35インプラント埋入術:F3.4X10 30N/cm
#36インプラント埋入術:F3.7X10 30N/cm
麻酔:笑気鎮静・モニター下
局所麻酔:2%キシロカイン(1/80,000Epi) 7.2ml
手術時間:32分


埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。


上部構造装着時の確認 パノラマ X-P所見


最終補綴物装着時の口腔内所見。

治療後、食事時によく噛めるようになったと喜んでいただけた。他部位も治したいということもあり、色はA1を希望された。きれいな歯が入ってうれしいとおっしゃられていました。


最終補綴物装着時の口腔内所見。

治療後、食事時によく噛めるようになったと喜んでいただけた。他部位も治したいということもあり、色はA1を希望された。きれいな歯が入ってうれしいとおっしゃられていました。

 

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