上顎多数歯欠損インプラント症例ケース01

左側中切歯、側切歯、犬歯部 根尖部嚢胞、第二大臼歯根尖性歯周病 (50歳代 男性)

他院で上顎前歯部ならびに第二小臼歯部の根尖部に炎症巣を認め、保存不可といわれ、インプラント治療を希望して当クリニックを受診した。患者さんは、インプラント埋入の術後4か月でインプラント補綴により咀嚼機能の回復ができ、喜んで頂けた。


左側上顎中切歯(#21),側切歯(#22),犬歯(#23),第2小臼歯(#25)の抜歯を行い、歯根のう胞ならびに根尖性歯周病による骨欠損部に、骨の誘導を促す目的でコラーゲン・アパタイト複合体リフィット(京セラ)を挿入した。


人工骨であるリフィット(京セラ)の口腔内への溢出を防止するためと歯肉の再生を促進する基盤となる肉芽組織の誘導のためにテルプラグ(モリタ)を挿入し、軽く縫合している。あまり強くタイトに縫合すると歯槽提の幅を逆に狭くするためこのあたりの加減が重要になってくる。


抜歯後の骨がある程度、できるまでの3か月間は、義歯を装着して、審美・機能の回復を図る。


LANDmarker(iCAT)にてシミュレーションを実施。審美的な要素も含み、慎重に埋入位置を計画。


iCATより送られてくる的心ガイドのドリルプロトコルの一部。部位別にプロトコルに従ってドリリングを進めていく。


左側上顎中切歯(#21)部:的心ガイド(iCAT)を用い、FINESIA的心サーキュレーションメス(京セラ)を軽く歯肉に押し当て、インプラント埋入部位を歯肉粘膜に印記させ、固有歯肉内にインプラント窩が出ることを確認して、サーキュレーションメスで固有歯肉を切開する。


左側上顎側切歯(#22)部:直径4.2mmのインプラントでは、直径3.4mmサーキュレーションメスで固有歯肉を切開する。小さめのサーキュレーションメスで穿孔すると周囲の上皮細胞や線維芽細胞をドリリングの時に巻き込む可能性を言われる先生もいるが、そのような事例はなく、問題ないと考える。


左側上顎第2小臼歯(#25)部では直径3.7mmのインプラントで、直径3.7mmサーキュレーションメスで固有歯肉を切開する。


サーキュレーションメスにおける歯槽提粘膜へのインプラント埋入位置における切開。固有歯肉がインプラント周囲に存在することが重要である。


左側上顎中切歯(#21)部における的心パイロットドリル(京セラ)直径3.4mm用でのインプラント埋入窩の形成。


左側上顎中切歯(#21)部における的心ガイドドリル(京セラ)直径3.4mm用(ショート)でのインプラント埋入窩の形成。


左側上顎側切歯(#22)部における的心ガイドドリル(京セラ)直径4.2mm用(ショート) でのインプラント埋入窩の形成。


左側上顎側切歯(#22)部における的心ガイドドリル(京セラ)直径4.2mm用(ロング)でのインプラント埋入窩の形成。深さを調整するための適切なリングを装着することで、計画通りの深度までインプラント埋入窩が形成できる。


左側上顎中切歯(#21)部にFINESIA HA Tapered type(京セラ)直径4.2mm/長さ12mm のインプラント埋入を行う。


左側上顎中切歯(#21)部のFINESIA HA Tapered type(京セラ)直径4.2mm/長さ12mm のインプラントの埋入時である。ガイドストッパーを適切な位置に設置することで深さの確実な調整ができる。現時点では新しい埋入パーツが開発されている。


左側上顎側切歯(#22)部にFINESIA HA Tapered type(京セラ)直径4.2mm/長さ12mm のインプラント埋入を行う。


左側上顎第2小臼歯(#25)部における的心パイロットドリル(京セラ)直径3.7mm用でのインプラント埋入窩の形成。


左側上顎第2小臼歯(#25)部における的心ガイドドリル(京セラ)直径3.7mm用(ショート)でのインプラント埋入窩の形成。


左側上顎第2小臼歯(#25)部における的心ガイドドリル(京セラ)直径3.7mm用(ロング) でのインプラント埋入窩の形成。

深さを調整するための適切なリングを装着することで、計画通りの深度までインプラント埋入窩が形成できる。


ヒーリングアバットメント装着後の所見。出血も認められず、問題ない。義歯を調整して入れるためヒーリングアバットメントは歯肉縁とほぼ同じ高さに置くのが良いと考える。

手術内容:左側上顎中切歯#21,左側上顎側切歯#22,左側上顎第2小臼歯#25インプラント埋入術
トルク:20N/cm (#21), 20N/cm (#22),25N/cm(#25)
麻酔:笑気ガス鎮静・モニター下
局所麻酔:2%キシロカイン(1/80,000Epi) 9.0ml
手術時間:18分


埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。


最終補綴物装着時の確認パノラマ X-P所見。


最終補綴物装着時の確認パノラマ X-P所見。


最終補綴物装着時の口腔内所見

叢生の中切歯、側切歯、犬歯で義歯は作成しており、清掃性や審美性のことも考慮しながら患者さんと2歯で行くか、3歯で行くかを2つの仮歯を作っていただきシミュレーション時相談していた。最終補綴の前にも再度確認し、2歯で補綴することを決定した。第2小臼歯(#25)はスクリューリテインとした。


最終補綴物装着時の口腔内所見

患者さんは審美的にも満足していただいており、入れ歯の時間が数か月あったことから、入れ歯より全然いいですね。と喜んでおられました。前歯の3歯を2歯にしたことにも、逆にフロスもしやすいのでこちらでよかったとおっしゃられていました。このような場合には、必ずプロビジョナルや仮の歯を入れることが重要であると考えます。

 

 

 

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