下顎臼歯部少数歯欠損インプラント症例ケース08

左側下顎第1大臼歯 欠損症例

(30歳代 女性)

左側下顎第1大臼歯(#36)の根尖性歯周病の診断下、前医で抜歯をされた。前後の歯が天然歯であり、ブリッジはいやだということで、インプラント治療を希望し当クリニックを受診した。CTと口腔内の模型を採得し、インプラント埋入を行い、埋入後2か月で上部構造を装着しインプラント治療とした。歯がなくなったが、短期間で元に戻ったと喜んでおられた。


LANDmarker(iCAT)の画像。補綴主導を考え埋入位置を計画。


LANDmarker(iCAT)による埋入シミュレーション画像。骨幅からインプラントは直径3.7/長さ12mmを選択した。

CTで診断しないと骨幅までは分からない。さらにシミュレーションを行うことで、最適なインプラントサイズを選択できる。


iCATから送られてくるドリルプロトコル。手順に沿って進めていく。


Landmark Guide(iCAT)の的心ガイドを装着した所見。

FINESIA Bone Level HA Tapered type(京セラ) 直径3.7/長さ12mm(左側下顎第1大臼歯:#36)を埋入する計画とした。


Landmark Guide(iCAT)の的心ガイドを装着し、直径3.7のインプラントを埋入することとし、サーキュレーションメスは的心ガイドにドリルキーを入れ、直径3.7で行った。可動粘膜までの固有歯肉の幅を確認することが重要である。


サーキュレーションメスによって、固有歯肉のインプラント埋入部位に粘膜の開窓を行っている。歯肉粘膜が丸く骨まで切開されている。可動粘膜までの固有歯肉の幅が十分に確保できている。


サーキュレーションメスによって、歯肉が切除された際の口腔内所見。骨面が露出しているが、出血は全くない。


的心ガイド(iCAT)を用い、的心パイロットドリル step1 直径3.7mm用(京セラ)でドリリングを行う。


直径3.7mmの的心パイロットドリル(京セラ)でのドリリング。手指でサージカルガイドがきちんと固定されていることを確かめながらおこなうことと、ドリルのスムースな動きが大切である。摩擦を感じると、角度がずれていることを疑う。


直径3.7mmの的心最終ドリル(京セラ)でのドリリング。位置や角度はガイドによって規制されるため、きちんとシミュレーションをしていると事故などは起こらない。


的心ガイドドリル 直径3.7mm用 最終ドリル(京セラ)で最終深度までのドリリングを行う。ストッパーが装着されており、深度が調整される。


左側下顎第1大臼歯(#36)部にインプラント埋入窩形成後、インプラント埋入を行う。

埋入タイプ及びサイズ:FINESIA Bone level HA Tapered type 直径3.7mm/長さ12mm(京セラ)


ガイドに沿ってインプラント体が予定された位置に埋入されようとするのがわかる。


左側下顎第1大臼歯部(#36)へのインプラントの埋入後の口腔内所見。粘膜下4mmの予定通りの深度に埋入されている。


左側下顎第1大臼歯部に埋入を行い、ヒーリングアバットメントを付けた口腔内所見。出血などはほとんどない。

手術内容:左側下顎第1大臼歯部(#36)インプラント埋入術
埋入トルク:20N/cm
麻酔:笑気鎮静・モニター下
局所麻酔:2%キシロカイン(1/80,000Epi) 3.6ml
手術時間:9分


埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。


印象採得時と上部構造装着時の確認Dental X-P


最終補綴物装着時の口腔内所見。

治療後、食事時によく噛めるようになったと喜んでいただけた。


最終補綴物装着時の口腔内所見。

第1大臼歯は咬合、咀嚼機能において重要であり、インプラント補綴により、しっかりとその機能を回復することが大切である。機能面も十分に回復でき、患者さんは喜ばれていました。

 

 

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