口腔がん
口腔癌の治療の変遷と最新のトピック 2018年10月
口腔癌はその発生部位が、咀嚼,構音,発声,嚥下など重要な機能に関わるところであり、治療法も変遷を繰り返してきた。とりわけ20世紀末から機能温存治療が世界的に広がるとともに、21世紀に入り分子標的薬や免疫治療薬が矢継ぎ早に登場し、臨床の現場が…
口腔粘膜疾患の前がん病変・前がん状態
本日は、常日頃から関係が深いにも関わらず、知っているようで知らない、あるいは学生の頃に習ったけど忘れていることの多いであろう、口腔粘膜疾患についてお話しさせていただこうと思います。口腔粘膜疾患とひとくちにいっても、ほとんど全ての病気…
口腔前がん病変のヨード染色による検出
口腔がんは直視が可能でかつ触診もできるがんであり、また、一方で癌病変の周りに癌になる一歩手前の病変ともいえる前癌病変が存在すると、そして、その前がん病変を目視できることも大きな特徴補一つである。この前がん病変の検出にはいくつかの意味がある。…
口腔癌治療後の経過観察はどのように行うべきか(私見)
本内容は、私見ではあるが、日本口腔外科学会地方会の同題名でのワークショップで議論した内容であり、多くの施設での治療後の経過観察の指針と大きく異なることはない。その点から是非参考にしていただきたい。(2017.11.22)【癌治療後の経過…
口腔がん診断の最前線
はじめに口腔がんに限らずがんの治療成績の向上には早期発見早期治療が重要なことは言うまでもありません。がんの早期発見にはPET-CTなどの画像診断を含む人間ドックなどの検診が重要ですが、被ばくなどの問題からも毎月、検診を受けることはできま…
口腔がん治療の最前線:サイバーナイフ、中粒子線、重粒子線治療
はじめにがんの治療の標準的な治療として、手術療法、抗がん剤による化学療法および放射線療法があります。この中で放射線療法は臓器や機能を温存したままで根治的な治療が行えるという特徴があります。我々の扱う口腔がん領域は形態の機能の温存が重要な…
口腔癌治療(放射線・化学療法)で誘発される口内炎の予防と治療
放射線化学療法時の口腔ケアは①抗癌剤による直接的な副作用として発症する口内炎の二次的感染予防とその症状緩和②骨髄抑制による易感染性状態での歯性感染症の急性化の予防の2点が重要である。 【放射線ならびに化学療法に起…
口腔がんと緩和医療
口腔がん患者の緩和医療は以下のような問題があり、それらを考慮しないと行かないことから非常に難しいといわざるを得ません。 痛みなどの症状コントロールが困難である。 願望の変化のみならず、食事や呼吸など生命の尊厳に関わるものを喪…
腺様嚢胞癌に対するサイバーナイフ治療【症例】
この症例は、年齢や全身状態、その他の選択肢を考慮したうえでの症例ですので、腺様嚢胞がんに対してサイバーナイフなどの放射線治療が第一選択になるということではありません。一般に唾液腺腫瘍は放射線感受性に乏しいのが現実です。腺様嚢胞癌…
頸部郭清術・基本
●手術体位患者の体位は,頭部を強く非郭清側に向けて後屈させ,頸部を伸展させる。また,頸部がほぼ水平となるように上半身を傾斜させる。いわゆる甲状腺位、ファーラー位をとる●手術スタッフとその役割 第一介者の役割は結紮などの止血…
頸部郭清術標本の取り扱い
頸部郭清術により得られる頸部の組織標本は、的確にレベルごとに分類され、どのレベルに転移があったのかを正確に把握する必要がある。施設によっては、標本をそのまま、病理部に提出するということも、数十年前は行われていたが、現在はそのような施…
口腔癌の症状、病期分類と治療成績
はじめにがんによりなくなる人数がんが原因となりなくなられた方を部位別に見ると、男性では肺が4.9万人、胃が3.3万人、大腸が2.3万人と続き、女性では大腸が2.0万人、肺が1.9万人、胃が1.7万人という順であった。口腔・咽頭は、男女と…
口腔癌の予防法
1.はじめにわが国における口腔癌罹患者1975年には2,100人であったが、2005年には6,900人、2015年には7,800人になると予測されている。これは高齢化社会の到来とともに、罹患者数は増加しつつあります。罹患率は民族、国、地…
口腔癌の再建に使われる皮弁
口腔癌の再建手術口腔癌の手術では腫瘍の大きさによっては、広い範囲の切除が必要になる。口腔は食事、会話、呼吸といった生活に重要な組織があるため、切除によって大きな欠損を生じた場合、欠損部を修復する必要がある。移植の方法には有茎組織移植(皮…