論文のあらすじ
インプラント周囲炎の発症は、インプラント治療の予後を脅かす深刻な問題です。これに対する外科的な治療法としては様々な方法がとられてきましたが、いずれも奏功していません。論文で紹介されている治療法は現在で最も信頼のおけるデータに基づく方法と考えます。
効果的なインプラント周囲炎の外科療法を考察する
未だインプラント周囲炎の治療法は確立されていない。インプラント周囲炎の治療は基本的には感染源の除去療法であるが、感染が長期に及ぶことで形成されたバイオフィルムの除去が非常に困難であるためである。以下の論文ではインプラント表面の汚染に対する除染法としてβ-TCPの球状パウダーを用いたエアーアブレーションが高い効果をもつと報告されている。β-TCPは粒径45μmの球状の粒子であり、およそ30秒エアーアブレーションを行うことで有機性の付着物はほとんど除去され、表面に残留したβ-TCPは生体内に吸収されながら骨の伝導性も有し、術後の再骨結合に有利とのことである。表面処理後、骨移植して吸収性のコラーゲン膜を用いた再生療法にて、良好な骨再生が認められている。(Dr.曽我)
論文内容
顎顔面インプラント学会雑誌 Vol 16.,N04, 2017 P261-273
効果的なインプラント周囲炎の外科療法を考察する
~β―TCPパウダーを用いたエアーアブレージョンによるインプラント周囲炎の治療法~
松井孝道