口腔外科
口内炎の診断・治療
●口内炎(stomatitis)とは、口腔粘膜の炎症状態の呼び名です。一般に口腔内にみられる炎症性病変をなんでも口内炎と呼ぶ傾向がありますが、それは病変が、その症状を変化させることと、その原因も含め、診断が容易ではないことに起因すると考…
骨吸収抑制薬関連顎骨壊死に関するポジションペーパー
骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理:ARONJ(Anti-resorptive agents-related Osteonecrosis of the Jaw)は骨転移を有するがん患者さんや骨粗鬆症患者さんに対して骨吸収抑制薬によ…
口臭に対する治療
はじめに口臭は、多くの患者さんが経験する身近な疾患であるにもかかわらず、大学学部教育での取り扱いも十分とはず、口臭およびその治療について正しい知識を有する歯科医師は極めて少ないと思われる。一方、患者さんの口に対する美意識や歯科治…
いびき・睡眠時無呼吸症候群の歯科口腔外科的治療
いびきや睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質を考えるうえで、非常に重要な問題である。睡眠は、サーカディアンリズム (Circadian rhythm):脳内の生物時計により管理される1日単位のリズム現象とホメオスタシス (Homeosta…
顎変形症手術のコツ(手術記録形式)
十分に開口させ粘膜切開部と骨切予定部に充分に浸潤麻酔(片側で約8.0ml)を行い,上顎咬合平面の高さから下顎枝前縁,外斜線,有歯部では,歯肉縁から約6-8mm離し,第一大臼歯近心に到る粘膜切開を加え,粘膜下で骨膜に垂直に骨膜切開を加えた。こ…
ヒアルロン酸、ボトックスと歯科治療
はじめに今、歯科医院は変革の時を迎えています。それは、齲蝕や歯周病という2大疾患を治療することから、疾患治療に起因する顔面形態、純粋な顔面の美容学的形態の修復治療まで網羅した診療が求められる時代となってきました。それが意味することは歯科…
顎骨腫瘍治療「温熱処理骨・反復処置療法で顎骨を保つ」
はじめに顎骨腫瘍の代表的なものにエナメル上皮腫がある、顎骨を温存させる方法としての反復処置療法とはエナメル上皮腫は、顎骨に発生するもっとも代表的な歯原性腫瘍であり、歯牙腫とならび発生頻度が比較的高い。WHOの病理組織学的分類は、…
歯科口腔外科領域の画像診断の最前線
はじめに今日、画像診断の進歩は日進月歩であり、単純エックス線写真を始めCT(computed tomography)、MRI(magnetic resonance imaging)、超音波検査がそれぞれ発展しています。なかでもCTは19…
舌痛症の診断・治療(基本)
舌痛症の定義(日本心身医学会)は、器質的な変化や検査値の異常(貧血など)は認められないにもかかわらず、舌痛のみを訴える病態とされている。日常臨床においてしばしば遭遇する疾患であるが、多岐にわたる原因があり、ま…
口腔乾燥症の診断・治療(基本)
口腔乾燥症の原因には、以下に示すような全身や代謝と関連するもの、神経性または薬物性のもの、唾液腺自体によるものが存在する。唾液分泌低下が認められない場合には、1.口呼吸(鼻呼吸障害、口唇閉鎖不全);夜間口腔乾燥2.全…
顎骨形態修正におけるシミュレーション外科の有効性【症例】
我々、歯科口腔外科医師が対象とする顎顔面領域においてインプラント外科におけるシミュレーション以外にもシミュレーション手術が有用な場合がある。軟組織の形態に関しては、シミュレーションを行っても、十分な成果を得ることができない場合も存在するが、…
口腔領域・隙への注射針の迷入
症例は、上顎第三大臼歯の抜歯の際に注射針を破折させて、組織隙に迷入させたものを内視鏡と3Dプリンターを用いたシミュレーションで摘出したものである。何かの勉強会で、開業医の先生から注射針を破折、迷入させたことがあるが、患者さんに説明せ…
口腔内の黒色病変
口腔内の黒い病変口の中の粘膜に黒くなった部分がある、あるいはそれを見つけたという場合、以下の解説を参考にしてください。口腔粘膜の色素沈着には、内因性のものと外因性のものがあり、内因性の主なものはメラニン色素の沈着、血液ヘモグロビ…
超音波骨切削機器を用いた歯根端切除術
超音波骨切削機器を用いた歯根端切除術の利点・囊胞壁を損傷せずに囊胞壁の明示が可能・骨の切削面がシャープであり、上顎洞の前壁を復位させやすい。治癒も良好・根尖部の切断もシャープに行える・臼歯部の手術時に上顎洞および…
超音波骨切削機器を用いた口腔外科低侵襲手術(総説・抜歯・インプラント・下顎隆起)
◎超音波骨切削機器による口腔外科領域低侵襲手術適応症例抜歯 下顎隆起除去術 インプラント関連手術(サイナスリフト、スプリットクレスト、骨採取)顎骨嚢胞、歯性上顎洞炎における歯根端切除顎変形症 顎骨腫瘍(歯肉がんなど)…