下顎多数歯欠損に対するインプラントシミュレーション(2020.5)

下顎における多数歯(3歯以上と定義)欠損に対するインプラントシミュレーションでは、一本一本のインプラントの埋入深さ、位置、傾斜角度などを考慮すると同時に複数本のインプラント同士の間隔や深さ、角度をある程度、近似させるなど相互関係にも留意する。

 

【Case 10】

右側下顎第1大臼歯、左側側切歯、第2小臼歯、第1大臼歯(#46, #32, #35, #36)症例

両側の臼歯部と前歯部にカンチレバーの補綴を行いながらインプラント埋入する症例である。顎骨が骨幅も含めてしっかりしていることから、臼歯部では直径5.2mm ないし4.7mm、前歯部においても直径3.7mmを選択できた。下顎隆起が発達しており、ブラキサーの可能性も考慮してインプラント体の選択を行う。左側の臼歯部、特に小臼歯部で頬側の骨が吸収しており、この点に留意してシミュレーションを行った。場合によっては骨造成、GBRかオープンメンブレンの準備をしておくことが重要と考える。

アクセスホールの位置は、臼歯部では、ほぼ理想的な位置に設定されている。前歯部では顎骨の方向から唇側の切端1/3付近にアクセスホールが来ることになるが、セメントリテインで補綴を行えば問題ない。一本一本を通常の埋入で行うと、左右の対称性や傾きなど大きくずれることはないか、3D透過像で確認を行う。臼歯部では下顎管との距離について、また、アクセスホールの方向(すなはちインプラント傾斜)に関しても3D画面で確認する。

顎骨ならびに歯槽骨の形態と最終補綴物のエマージェンスプロファイルなどから各々のインプラントを選択し、骨レベルでプラットフォームスウィッチングであることから、できればしっかりと既存骨の中に埋入する形でインプラントの埋入位置を決定する。左側の第2小臼歯で顎骨と上部構造のプロファイルで頬側の骨吸収もあり、傾斜や埋入場所をどうしても舌側の歯槽頂よりかなり深い位置に設定することになる。近遠心的にも臨在歯の歯根との間隔、複数のインプラント体の間隔、角度、深さなどがなるべく近似するようにシミュレーションされているか否かを確認する。

 


 

【Case 9】

右側下顎第1・2大臼歯、左側下顎第2小臼歯、第1・2大臼歯(#47, #46, #35, #36, #37)症例

両側の臼歯部にインプラント埋入を行う症例である。顎骨が骨幅も含めてしっかりしていることから、大臼歯部では直径5.2mm、小臼歯部で直径4.2mmのインプラントを選択した。一本一本のインプラントをその理想的な位置に埋入する計画を行い、その後、両側の間隔、深さ、傾斜角度の対象性を3D画面で観察しながら微調整を行う。一本一本を理想的な位置に埋入することが最重要であることには変わりない。

アクセスホールの位置は、左右とも近似して最終補綴物の中心部に、ほぼ理想的な位置に設定されている。一本一本を通常のシミュレーションと同様に理想的な位置で設定してくとおのずから、位置、角度、深さなども近似する。ただ、大臼歯部と小臼歯部では顎骨、歯槽骨の形態が異なるごとく、インプラント埋入の角度が若干異なるのが、確認できる。

下顎管との距離についても、いずれにおいても問題ない。

顎骨ならびに歯槽骨の形態と最終補綴物のエマージェンスプロファイルなどの因子を考慮しながら、またインプラントが骨レベルでプラットフォームスウィッチングであることから、しっかりと既存骨の中に埋入する形でインプラントの埋入位置を決定した。特に大きな問題はないシミュレーションと考える。近遠心的にも臨在歯の歯根との間隔、複数のインプラント体の間隔、角度、深さなどがなるべく近似するようにシミュレーションされているか否かを確認する。本症例では、問題ないと思われる。

 


 

【Case 8】

右側下顎第2小臼歯、第1・2大臼歯 (#47, #46, #45)症例;骨幅が狭く、骨造成GBRを前提としたシミュレーション

右測の臼歯部に3本のインプラント埋入を行う症例である。歯槽骨・顎骨の骨幅が狭く、インプラント体の上方の約1/2~1/3が骨の外に露出することになる。舌側の骨は、十分な高さもあるが、頬側骨吸収のためにインプラント露出部を骨造成ならびにGBRを行う必要がある。インプラント体としては直径3.7㎜ならびに4.2㎜を選択した。舌側の骨の高さとインプラント初期固定を得るようにできるだけ既存骨に支持を求めることを考慮して位置を決定した。このような症例では、手術後の義歯による揺さぶりが、インプラントならびに骨造成に大きな影響を与えるので、十分に患者さんと話して3-4か月義歯が使用できないことを、説明しておくことが重要である。

アクセスホールの位置は、ほぼ最終補綴物の中心部にあるが、第2小臼歯部ならびに第1大臼歯部ではやや頬側に傾斜してアクセスホールが設定されている。骨レベルの3D画像ではインプラント体がどのように頬側で露出するかを把握する。また透過3D画像では、インプラントの位置、間隔、深さ、傾斜など相互の関係に関してできれば近似させるように設定する。

下顎管との距離についても、いずれにおいても問題ない。

顎骨ならびに歯槽骨の形態では、全体的に骨幅は狭く、特に歯槽骨部で頬側の骨幅が狭くなっているのが観察できる。深さに関しては最終補綴物のエマージェンスプロファイルなどから各々のインプラントで位置の決定を行った。このような症例では、実際にインプラント体を埋入後に行う骨造成やGBRなどを想定して手術に臨むことが大切である。

 


 

【Case 7】

右側下顎第1・2小臼歯、第1大臼歯 (#46, #45, #44)症例;歯槽骨頂の骨が鋭縁になっており、その形状を考慮したシミュレーション

右測の臼歯部に3本のインプラント埋入を行う症例である。顎骨の骨幅はインプラント埋入部位では十分確保されているが、歯槽頂では骨が鋭縁になっており、そのままでドリリングすると起始部でドリルがぶれる可能性もあり、その前に鋭縁部を削合してある程度骨を平坦化してから、インプラント手術を行うなどの必要がある。骨の鋭縁が歯槽頂の上縁にあることと、同部の固有歯肉の状態に留意すれば、顎骨の幅や下顎管までの距離に関しては大きな問題はない症例と考える。インプラント体としては直径3.7㎜ならびに4.2㎜を選択した。

このような症例では、手術後の義歯による揺さぶりが、インプラントのヒーリングアバットメントを大きな影響を与える場合があるので、義歯の粘膜負担の状況を十分に把握して、入れる場合でも十分なレリーフを行い装着させることが重要になる。

アクセスホールの位置は、ほぼ最終補綴物の中心部にあるが、第1・2小臼歯部ではやや頬側に傾斜してアクセスホールが設定されている。透過3D画像では、インプラントの位置、間隔、深さ、傾斜など相互の関係に関してできれば近似させるように設定する。

下顎管との距離については、いずれの部位においても問題ない。骨レベルの3D画像ではインプラント体がどのような状況で埋入されるかを把握する。特に鋭縁がある場合にはドリルが鋭縁に干渉してぶれることがあるので注意する。

顎骨ならびに歯槽骨の形態では、顎骨部分では十分な骨幅があるが、歯槽頂の部分ではかなり鋭縁を認め、同部の平坦化をしたほうが良いと考える。このような症例では固有歯肉の幅も狭くなっていることが多いため、切開を行い、粘膜骨膜弁の作製後、骨の鋭縁の削合を行ってから、インプラント埋入のためのドリリングを行うのもよい。

深さに関しては最終補綴物のエマージェンスプロファイルなどから各々のインプラントで、位置の決定を行うと同時に、近遠心的な位置関係や複数本のインプラントの深さに関して微調整を加えるとよい。

 


 

【Case 6】

左側下顎第2小臼歯、第1・2大臼歯 (#35, #36, #37)症例;顎骨の形態により、長さなどが制限される症例

左測の臼歯部に3本のインプラント埋入を行う症例である。抜歯からの期間が数か月であり、抜歯窩に幼弱な骨が存在しているが頬側の骨が大きく吸収するなどの問題はない。第2大臼歯部分で舌側の骨が大きく陥凹している部分があり、最終補綴物とのエマージェンスプロファイルなども含めて埋入位置を考えると、長さ8㎜のインプラントを選択せざるを得ない。下顎の8㎜に関しては、ショートインプラントにも定義されるが、連結は必ずしも必要ではなく、単独でも全く問題ないと考える。インプラント体としては直径4.2㎜ならびに4.7㎜を選択した。

このような症例では、手術後の義歯による揺さぶりが、インプラントのヒーリングアバットメントを大きな影響を与える場合があるので、義歯の粘膜負担の状況を十分に把握して、義歯を装着する場合でも十分なレリーフを行い装着させることが重要になる。

アクセスホールの位置は、第2小臼歯部でやや頬側に傾斜し、逆に第2大臼歯部で舌側にやや傾斜するが、骨の形態から仕方なく、また本症例では連結は行わず、各々単独の上部構造として埋入するために問題はない。透過3D画像では、インプラントの位置、間隔、深さ、傾斜など相互の関係に関してできれば近似させるように設定する。

骨レベルの3D画像では抜歯窩の治癒状況とインプラント体の上縁との位置関係、インプラント体の露出範囲などを把握する。

顎骨ならびに歯槽骨の形態では、歯槽頂部ではある程度十分な骨幅があるが、舌側の形態に留意する必要があり、特に第2大臼歯部分では、舌側にかなりの陥凹部分があり、この形態とともに最終補綴物のプロファイルに留意してインプラントの選択、埋入位置のシミュレ^ションを行う。

深さに関しては抜歯窩の範囲と最終補綴物のエマージェンスプロファイルなどから各々のインプラントで、位置の決定を行うと同時に、近遠心的な位置関係や複数本のインプラントの深さに関して微調整を加える。どうしても、顎骨などの形状により、各部位によって頬舌側的な傾きは変わるので、上部構造が連結なのか、単独歯で行くのかによってもシミュレーションは左右される。

 


 

【Case 5】

右側下顎第2小臼歯、第1大臼歯、左側第1・2小臼歯、第1大臼歯 (#45, #46, #34, #35, #36)症例;両側臼歯部に複数本のインプラントを埋入する症例

両側の臼歯部に2本と3本合計5本のインプラント埋入を行う症例である。両側の第2小臼歯では、抜歯から1ケ月経過したところであるが、頬側の骨が大きく吸収するなどの問題はない。顎骨の骨幅、下顎管との距離になどにも大きな問題はなく、インプラント体としては直径4.2㎜ならびに4.7㎜で、第2大臼歯部以外では長さ10㎜のものが選択できた。

このような症例では、各々の上部構造が単独なのか、連結するかでシミュレーションも若干変わってくる。特に連結でマルチバットメントを考える場合には、マルチアバットメントの厚みも考慮した深さの設定になる。

右側ではアクセスホールの位置は、ほぼ理想的な位置であるが、左側では第1大臼歯部でやや舌側に傾斜する。本症例では連結せず単独歯として埋入するために問題はない。透過3D画像では、インプラントの位置、間隔、深さ、傾斜など相互の関係に関してできれば近似させるように設定する。

各々のインプラントで下顎管までの距離と最終補綴物のプロファイルに留意してインプラント体の選択ならびに埋入位置のシミュレーションが行われている。インプラントが骨レベルでプラットフォームスウィッチングを採用したものであることから、現行の位置よりももう少し深くてもよいとも考える(下顎管との距離に留意する必要があるが)。

深さに関しては抜歯窩の範囲と最終補綴物のエマージェンスプロファイルなどから各々のインプラントで、位置の決定を行うと同時に、近遠心的な位置関係や複数本のインプラントの深さに関して微調整を加える。どうしても、顎骨などの形状により、各部位によって頬舌側的な傾きは変わるので、上部構造が連結なのか、単独歯で行くのかによってもシミュレーションは左右される。

 


 

【Case 4】

左側下顎第1・2小臼歯、第1大臼歯(#34, #35, #36)症例;歯槽骨の骨鋭縁を認める症例のシミュレーション

左側の臼歯部に3本のインプラント埋入を骨の鋭縁があり、ある程度、骨をトリミングしてからドリリングを行ったほうが良いかと考える症例である。骨の上縁部では鋭縁があるものの深い部分では骨幅もあり、インプラント周囲の骨量に関しては問題ないと考える。このような症例では、固有歯肉の幅が狭く、インプラント周囲に固有歯肉を確保するためにも切開し、粘膜骨膜弁を作成する方が良い。鋭縁以外、顎骨の骨幅、下顎管との距離になどにも大きな問題はなく、インプラント体としては直径4.2㎜ならびに4.7㎜で、長さ10㎜のものが選択できた。骨の鋭縁の関係から第1小臼歯でインプラント埋入部位が深くなっているが、大きな問題にはならないと考える。

アクセスホールの位置は、ほぼ理想的な位置であるが、各々の部位で顎骨ならびに上部構造とのプロファイルの関係から、頬舌側の傾斜は異なる。本症例では連結せず単独歯として上部構造を装着するため、傾斜などがある程度統一されなくても問題はない。透過3D画像では、インプラントの位置、間隔、深さ、傾斜など相互の関係に関してできれば近似させるように設定するが、本症例では鋭縁の関係から第1小臼歯が深くなっていることがわかる。

各々のインプラントを下顎管までの距離と最終補綴物のプロファイル、顎骨の形態に留意して選択、埋入位置のシミュレーションが行われている。インプラントが骨レベルのものでプラットフォームスウィッチングを採用したものであることから、下顎管との距離に留意する必要があるが現行の位置よりももう少し深くてもよいとも考える。

深さに関しては抜歯窩と最終補綴物のエマージェンスプロファイルなどから各々のインプラントで、位置の決定を行うと同時に、近遠心的な位置関係や複数本のインプラントの深さに関して微調整を加える。どうしても、顎骨などの形状により、各部位によって頬舌側的な傾きは変わるので、上部構造が連結なのか、単独歯で行くのかによってもシミュレーションは左右される。

 


 

【Case 3】

左側下顎第1・2小臼歯、第1・2大臼歯(#34, #35, #36,#37)症例

左側の臼歯部に4本のインプラント埋入症例である。第2小臼歯部には骨の鋭縁があり、ある程度、骨をトリミングしてからドリリングを行ったほうが良いかと考える。他の部位では歯槽骨頂部も平坦で埋入には大きな問題はないと思われる。いずれにしても固有歯肉の幅が狭い部分があると考えられ、インプラント周囲に固有歯肉を確保するためにも切開し、粘膜骨膜弁を作成する方が良い。インプラント体としては直径3.7㎜、4.2㎜ならびに4.7㎜で、小臼歯部では10㎜、大臼歯部では8mm の長さのものが選択できた。8mmの長さのインプラントが既存骨内に適切に埋入できた場合には、上部構造の連結などは必要ないと考えられるため、方向、深さ、位置関係を厳密に統一、近似させる必要はない。

アクセスホールの位置は、ほぼ理想的な位置であり、下顎骨のカーブに伴い、インプラント体の埋入角度も滑らかに傾斜していくのが観察できる。各々の部位で顎骨ならびに上部構造とのプロファイルの関係から、頬舌側の傾斜は異なってくる。本症例では連結せず単独歯として上部構造を装着するため、このような各々のインプラントでの傾斜や深さがある程度、統一されなくても問題はない。透過3D画像では、インプラントの位置、間隔、深さ、傾斜など相互の関係に関して観察する。

各々のインプラントが下顎管までの距離によって深さが制限されていることがわかる。最終補綴物におけるエマージェンスプロファイルに関しては、ある程度の深さでインプラントを埋入しているため、いずれのインプラントでも問題ない。

インプラントが骨レベルのものでプラットフォームスウィッチングを採用したものであることから、下顎管との距離を考慮してこの位置を設定した。

 


 

【Case 2】

左側下顎第2小臼歯、第1・2大臼歯(#35, #36,#37)症例;頬側の歯槽骨がやや吸収している症例におけるシミュレーション

左側の臼歯部に3本のインプラント埋入症例である。いずれの部位においても抜歯後の変化としてやや頬側の歯槽骨の吸収がみられる。いずれにしても固有歯肉の幅が狭い部分があると考えられ、インプラント周囲に固有歯肉を確保するためにも切開し、粘膜骨膜弁を作成する方が良い。その場合に頬側に大規模な骨造成、GBRではなく、少し骨補填材を置くことでより骨に囲まれた安定したインプラント埋入が行われると考える。インプラント体としては直径4.2㎜ならびに4.7㎜で、10㎜の長さのものが選択できる。

アクセスホールの位置は、ほぼ理想的な位置であり、下顎骨のカーブに伴い、インプラント体の埋入角度も滑らかに傾斜していくのが観察できる。骨レベルの3D画像では、第1・2大臼歯部で抜歯後の変化として幼弱な骨が描出されずにインプラント体の一部が露出している様に観察できる。このような場合に実際には、骨があることも多いが、粘膜骨膜弁を開いた場合や、開かなかった場合にでも袋状に歯肉を剥離してインプラント体の露出がないかを実際に確認して、露出があるようであれば骨補填、GBRなどを行えるように準備することが大切である。

各々の部位で顎骨ならびに上部構造とのプロファイルの関係から、頬舌側の傾斜は異なってくる。本症例では連結せず単独歯として上部構造を装着するため、このような各々のインプラントでの傾斜や深さがある程度、近似してなくても問題はない。透過3D画像では、インプラントの位置、間隔、深さ、傾斜など相互の関係を観察する。

抜歯後の幼弱な骨が、断面図では描出されている。各々のインプラントが下顎管までの距離と上部構造のエマージェンスプロファイルとの関係で位置決定される。

インプラント体が骨レベル・プラットフォームスウィッチングを採用したものであることから、最低でも歯槽頂、可能であれば1~2㎜、深い位置に設定したいが、エマージェンスプロファイルや下顎管との距離を考慮して、最終位置を調整しこの位置に決定した。

 


 

【Case 1】

右側下顎第2小臼歯、第1・2大臼歯(#45, #46,#47)症例;顎骨形態、顎骨硬化を認める症例におけるシミュレーション

右側の下顎臼歯部に3本のインプラント埋入する症例である。いずれの部位においても抜歯後の変化として歯槽骨の吸収がみられる他、慢性炎症があったことによる顎骨の硬化性の変化が認められる症例である。抜歯後の変化などもあり、歯槽頂当たりの骨の形態が少し複雑で手術時には、切開・粘膜骨膜弁を作成し、骨と埋入したインプラントの関係などを十分に把握して、場合により骨補填などを行うことが良いと考える症例である。

インプラント体としては直径4.2㎜ならびに5.2㎜で大臼歯では8㎜の長さのものを選択でする。

アクセスホールの位置は、ほぼ理想的な位置で設定される。骨レベルの3D画像では、第1・2大臼歯部で抜歯後の変化として幼弱な骨が描出されずにインプラント体の一部が露出している様に観察できる。このような場合に実際には、骨があることも多いが、粘膜骨膜弁を開かなかった場合にでも骨とインプラント体の関係を確認して、インプラント体の露出などがあった場合には骨補填などを考慮する。

各々の部位で顎骨の形態、下顎管までの距離ならびに上部構造とのプロファイルの関係から、埋入位置を決定する。長さ8mm以上のインプラント体が選択できた場合には、連結などを考えず、単独歯として上部構造を装着することから、各々のインプラントでの傾斜や深さを単独植立としてシミュレーションしても問題ない。その、各インプラントの埋入位置を優先させつつ、透過3D画像では、インプラントの位置、間隔、深さ、傾斜など相互の関係に関してできれば近似させるように設定する。

第2小臼歯部では、抜歯即時埋入なので残根が観察できる。他部位でも顎骨の形態と下顎管の位置からインプラント体の設定は難しい。また、骨質も炎症によりかなり硬化していることが想像できる。第2大臼歯部での上部構造と関係では理想的な位置関係は難しいが、

インプラント体が骨レベル・プラットフォームスウィッチングを採用したものであることも考慮して、最終位置を調整しこの位置に決定した。

 

 

 

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