超音波骨切削機器を用いた歯根端切除術の利点
・囊胞壁を損傷せずに囊胞壁の明示が可能
・骨の切削面がシャープであり、上顎洞の前壁を復位させやすい。治癒も良好
・根尖部の切断もシャープに行える
・臼歯部の手術時に上顎洞および周囲口腔粘膜の損傷なく行える
・ 角度的に回転切削器具では困難な歯根端切除が可能になる
・ 上顎洞炎の原因歯の場合、対孔形成時の出血がコントロールできる
【症例】
患 者:35歳, 男性
主 訴】:」右側上顎洞炎の精査・加療依頼
【現病歴】 20XX年X月より右側頭痛を自覚し, 近総合病院耳鼻咽喉科を受診. CTおよびMRI撮影にて右側上顎洞炎の診断にて抗菌薬内服指示を受けるも症状が改善せず, 歯性上顎洞炎の可能性の精査・加療依頼にて受診となった.上顎洞炎の原因は、右側第2大臼歯であり、歯根嚢胞が上顎洞内に存在し、それに伴う上顎洞炎の所見も見受けられた。
上顎洞の前壁をピエゾサージェリーでカットして窓開けをおこない、第2大臼歯の歯根嚢胞の摘出ならびに歯根端切除術を内視鏡下に行った後、窓開けした上顎洞前壁の骨片を復位して手術とした。
【動画】