腺様嚢胞癌に対するサイバーナイフ治療【症例】

この症例は、年齢や全身状態、その他の選択肢を考慮したうえでの症例ですので、腺様嚢胞がんに対してサイバーナイフなどの放射線治療が第一選択になるということではありません。
一般に唾液腺腫瘍は放射線感受性に乏しいのが現実です。

腺様嚢胞癌は放射線療法や化学療法に対して耐性を示すとされ、その治療には外科的切除が第一選択とされる。
しかし後治療として放射線療法が選択されこともあり、その有効性についての報告もなされている。腺様嚢胞癌の手術拒否例および切除不能例に対してサイバーナイフ治療を経験したのでこれを掲載する。

 

サイバーナイフ治療

体幹部定位放射線照射システムであるサイバーナイフは不整な病変に対して三次元的に1mmの精度で照射し、さらに治療中の体動を追尾し自動的位置修正することでより正確に病巣への照射が可能であり、頭頸部の腫瘍には有効とされている。
また侵襲的なフレームも不要であるために分割投与が可能で副作用を軽減でき、この点からも効率よく治療を行うことが可能である。

症 例

87歳 女性

主訴:口蓋部の腫脹

既往歴:骨粗鬆症

現病歴:20XX年X月頃より右側歯肉から口蓋部の腫脹を自覚するも、かかりつけの歯科医院では義歯調整を行うのみで放置されていた。徐々に口蓋の腫脹が増大し、義歯不適合となったため精査目的に来院。生検施行により腺様嚢胞がんの診断を得た。

 

初診時所見では、右側口蓋部に潰瘍を伴う腫瘤を認め、CTでは上顎骨を浸潤破壊し上顎洞内~後壁、翼口蓋窩まで進展する腫瘍を認めた。PET-CTで同部位にSUVmax 5.0とFDGの高集積を認め、右側顎下部にもSUVmax=2.2の集積像を認めた。

診断:右側口蓋部腺様嚢胞癌 (T4N1M0)

患者は高齢であり,本人と家族は手術療法を拒否。短期間で,なるべく苦痛の少ない加療を希望したため、サイバーナイフ治療を提示、以下のように説明した。

 

  1. 腺様嚢胞癌に対しては手術療法が第一選択である。
  2. 放射線療法単独では手術療法より治療成績が悪い。
  3. 粘膜炎や骨髄抑制などの有害事象を引き起こす。
  4. 頸部リンパ節の転移には有効でない。

以上のような説明を行い同意が得られたためサイバーナイフによる加療を選択することとなった。

 

治療方針:サイバーナイフ治療

20XX年1月:サイバーナイフ治療施行。腫瘍中心部で最高84Gyの線量を照射した。

照射における急性期有害事象としてはGrade2の口腔粘膜炎を認めたが、その他悪心・嘔吐や血液像の異常などは認められなかった。

 

20XX年3月:肉眼的に原発巣の大幅な縮小が確認され、根治的な加療も可能であると考えて本人と家族を説得。

右側肩甲舌骨筋上頸部郭清術を施行した。

 

20XX年3月:口腔内の腫瘍は消失しPET-CTでも原発巣のSUV値は正常値を示している。

CTでも原発巣部の腫瘍は消失し、新生骨を認め、頸部リンパ節に再発、転移は認められていない。

 

考察:サイバーナイフ治療は、手術拒否例や手術不能例で、高齢者などの腺様嚢胞癌に対し治療方針の選択肢のとなり得ると思われた。

 

 

 

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