頸部郭清術・基本

●手術体位

患者の体位は,頭部を強く非郭清側に向けて後屈させ,頸部を伸展させる。また,頸部がほぼ水平となるように上半身を傾斜させる。いわゆる甲状腺位、ファーラー位をとる

●手術スタッフとその役割

  • 第一介者の役割は結紮などの止血操作,電気メスの使用および組織の牽引・圧迫などである。
  • 第二介者の役割は結紮糸の切断,適当な術野の展開・提示などである。
  • 執刀医は手術側のやや尾側に立つ。第一介者はその対側,第二介者は頭頂あるいはその非手術側に立つ。

●全頸部郭清術における郭清範囲

  • 郭清の上限 下顎骨下縁と乳様突起を結んだ線が上限となる。
  • 郭清の下限 鎖骨レベルを下方限界としている。
  • 郭清の外側限界 僧帽筋前縁から肩甲挙筋および頭板状筋を経て乳様突起後縁まで
  • 郭清の内側限界 上部では反対側の顎二腹筋前腹内縁,中央部では胸骨舌骨筋外側縁,下部では胸鎖乳突筋胸骨頭部

顔面神経下顎下縁枝の同定および郭清上限の決定

  • 顔面神経下顎下縁枝は下顎下縁約1cm下方付近で顔面動静脈の上層を走行している。
  • 顔面神経下顎縁枝はモスキートを用いて耳下腺を横断し、頸枝との分岐部まで追跡する。
  • 頸枝を切断し、神経の下方で下顎後静脈も結紮切断する。
  • 顔面動静脈を結紮・切断し神経を下顎下縁上方に避ける。

外頸静脈の温存と郭清下限の切離

  • 外頸静脈は鎖骨部までトレースする。
  • 鎖骨上約1cmの高さで胸鎖乳突筋を切離する。
  • 内頸静脈鞘を破り、内頸静脈の全周を2cm程度露出させる。
  • 鎖骨上窩部を内側から外側へ、鎖骨上縁のレベルで深頸筋膜上まで切離する。
  • 浅頸動脈は温存し、横隔神経、腕神経叢の確認を行う。

外側の処理

  • 僧帽筋前縁に沿って下方から乳様突起に向かって深頸筋膜上の脂肪組織を切離する。
  • 脂肪組織からの出血が多いため、適量をペアン鉗子ではさみ、切断・結紮しながら進める。
  • 僧帽筋に入る頸神経や副神経は切断・結紮する。
  • 胸鎖乳突筋の付着部付近まで達したら、外側の処理を一旦終了し、内側の処理に移る。

後方三角から頸部中央の郭清操作

  • 郭清組織を内上方に牽引し、鎖骨上窩や後頸部の脂肪・結合組織を頚動脈鞘に向かってメスで剥離して行く。
  • 腕神経叢、横隔神経の損傷を避けるため、深層筋膜上を正確に剥離する。
  • 頸神経叢を切断・結紮し、頚動脈鞘に到達したら、さらにメスで剥離を進め総頸動脈および迷走神経を確認したら、乳突付近の処理に移る。

乳突付近の処理

  • 胸鎖乳突筋を乳様突起直下で切離し、頭板状筋および肩胛挙筋を露出させる要領で内上方に向かって剥離を進める。
  • 耳下腺下極を切離して顎ニ腹筋後腹を確認し、その表面上を内側に向かって郭清を進め、顎ニ腹筋後腹を露出させる。

内頸静脈の遊離と頸動脈周囲の郭清

  • 顎ニ腹筋後腹を上方に強く牽引した状態で内頸静脈に到達するまで剥離を進める。
  • 内頸静脈の位置が確認できたら、頸動脈鞘に包まれている内頸静脈をメスを用いて下方まで露出させ、内頸静脈全体を遊離させる。
  • 内頸静脈を外側に、郭清組織を内上方へ牽引しながら頸動脈鞘を剥離して、動脈壁を露出させる。

内側限界部の切離およびオトガイ下部の郭清

  • 郭清組織を外上方へ牽引し、胸骨舌骨筋の外側縁で上方に向かってメスで剥離を進め、肩甲舌骨筋を起始部で切断する。
  • 反対側の顎ニ腹筋前腹を外側へ、郭清組織を内側へ牽引しながら電気メスを用いてオトガイ下部を郭清する。

顎下部の郭清

  • 顎舌骨筋を前上方に牽引し、顎下腺周囲の結合組織を舌骨舌筋上で剥離する。
  • 舌神経、ワルトン管、舌下神経が確認できたら、ワルトン管を切断・結紮する。
  • 舌神経を上方に避けながら、顎下神経節で顎下腺枝を切断・結紮する。

 

 

郭清組織の摘出

  • 顎ニ腹筋後腹を下方へ、郭清組織を上方に牽引しながら顎下腺後方の剥離を進めると顔面動脈が確認できる。
  • 顔面動脈を顎下腺までトレースして切断・結紮し、郭清組織を摘出する

 

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