All-on-4コンセプトについて

All-on-4コンセプトに対する私信

All-on-4 は、無歯顎の患者さんに対して少数のインプラント埋入により全顎的な補綴を行うという画期的なコンセプトの治療法であることは言うまでもなく、日本でも1大ブームを作ったと言える。しかし、医療の基本を考えると治療はブームではなく、その医療が真に患者さんのためになるか否かを考えないといけない。その意味においては、私はAll on-4コンセプトは、あくまで【無歯顎患者さんで費用的な面からインプラント治療ができない患者さんへの救済策的な治療】と位置付けざるを得ない。

その関する成功率についての是非が話題になったこともあるが、それよりも長期予後を見た場合に上部構造がチッピングなどの損傷をきたした場合のリペアの問題(その間、患者さんはラボ時間を待機するのか?歯なしで一定期間を過ごすのか)が大きいと考える。このことは複数本インプラントを入れてできるだけ多くの歯牙(上部構造)を連結しようとするインプラント治療医にも言えることである。上部構造が大きくなればなるほど、上部構造にトラブルがあったときに迷惑をこうむるのは患者さんであり、基本的には少数本を埋入し小さな最小限の連結、ブリッジに抑える必要があると私は考える。

その意味では1歯1本のインプラントの治療を前時代的と言われる方もおられようが、それこそ理想のインプラント治療であるとも言える。

以上の私の意見はある意味、All on 4に否定的ではあるが、即日にインプラント義歯が装着できる点は魅力的であるのは非常に魅力的である。

 

All-on-4のコンセプト

Dr. Paulo Maloが元来、提唱したコンセプトとしては、骨量の少ないケースにおいても、骨移植をせずに、より少ない数のインプラントを利用し、傾斜埋入によって前方の骨質の良い部分に埋入し、イミディエートローディング(即時負荷)を行なうという点にあった。

下顎、上顎においては4本にこだわる必要はなく、スタンダード All-on-4で下顎 4本、上顎 4~8本(Paulo Maloは長期の臨床経験から下顎においても8本から6本へ 6本から4本へ移行した経緯を持つ)、ザイゴマインプラントと通常のインプラントを組み合わせた術式、ザイゴマ All-on-4(Not available)などがある。

P. Maloの Total oral rehabilitation goals は、骨移植を回避する、高い成功率、高い審美性、

高い機能性、清掃性が良い、なるべく即日に固定性の補綴物を装着する、患者にとって安価である、ドクターにとって収益性が高い、施術する歯科医にとってシンプルな術式である。

また、手術に関しては、以下の項目をあげている。

・4本のインプラントで上顎もしくは下顎無歯顎患者のリハビリテーションを行う
→症例に応じて本数の追加等を検討すること
・臼歯部へのインプラント埋入を避ける
・後方のインプラントは、45度傾斜させる→症例に応じて30~45度傾斜させる
・規格化されたサージカルガイドを使用する
・必要であれば、カンチレバー(延長ポンティック)を付与する
・イミディエート ファンクションを行う
・低コストなアクリリックブリッヂを即時に固定する
・FlapまたはFlapless術式がある

 

背景

All-on-4の治療は基本的に無歯顎患者さんに対して行われる治療であり、各国の無歯顎患者さんの割合をみると本邦でも全人口の6-10 %が上下無歯顎で非常に多い症例があることがわかる。

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インプラント治療の無歯顎患者さんに対する恩恵としては、従来、総義歯でしか対応できなかった患者さんに対してオーバーデンチャーやAll-on-4などの治療の選択肢ができたことになる。オーバーデンチャーはシンプルで、取り外し可能、経済的であるという利点があり、All-on-4 には-イミディエートローディングの為の治療で早く、固定式であるという利点があるが、1歯1本に対しては費用は抑えれるものの費用が高い点は患者さんにとっての不利益とも言える。

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All-on-4の歴史

開発者:Dr. Paulo Malo (リスボン)
  • 1993 : All-on-4 standard protocol pilot study
  • 1998 : All-on-4 mandible retrospective study
  • 1998 : Nobel Speedy implant development
  • 1999 : Malo Clinic Ceramic Bridge clinical studies-initial phase
  • 2001 : All-on-4 maxilla retrospective study
  • 2002 : NobelSpeedy implant clinical studies-initial phase
  • 2003 : All-on-4 mandible retrospective study publication
  • 2004 : Technical viability study of zygomatic ,pterygoid and sphenoid anchored implants
  • 2005 : NobelGuide adaptation to the All-on-4 concept
  • 2005 : All-on-4 maxilla retrospective study publication
  • 2005 : Study of the all-on-4 hybrid and extra-maxill a,with zygomatic,pterygoid and sphenoid anchorage : initial phase.
  • 2006 : Study of the extra-maxilla new design in order to use it with NobelGuide
  • 2007 : Study of the all-on-4 technique with zygomatic,pterygoid and anchorage : accepted for publication

 

現在のAll-on-4テクニックは、いわゆるサージカルガイドでフラップレスがメインになってきているが、以前は粘膜骨膜弁を作成するオープンサージェリーが主流であったその時には以下に示すような手術の補助的なガイドが使用されていた。今はこのような手技がないわけではないがあまり使用されない。

 

 

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