インプラント治療は外科治療でもあり、3Dインプラントテクノロジ-では、メスや剥離子や縫合を必要としない。しかし、骨造成や可動粘膜がインプラント周囲に存在することによってインプラントの予後が危惧される場合には粘膜を切開する必要がある。その点では、十分な外科治療、口腔外科治療をマスタ-していることがインプラント治療を行う上で必須条件になってくる。
インプラント外科は、非常に繊細な外科になるのでメスはきほんてきに#15Cが用いられる通常の#15よりもCが良いと考える。
インプラント外科において繊細に鑷子を持って粘膜を使用しないといけない状況で有鈎鑷子はどのような時に使うのか。その答えは、減張切開時です。減張切開では、粘膜は残して骨膜呑みを切開します。その時にカウンタ-トラクションが十分である必要があります。この点から、有鈎鑷子を使用する必要があります。
粘膜の縫合に際しては、愛護的に粘膜を扱うことも十党であるが、粘膜に対しての針の進入角度ならびに骨などの存在に留意する必要がある。また、持針器での針の持ち方にも留意しないといけない。
粘膜切開の原則は血流の確保を考えて、末広がりにする。減張切開を展開しないといけない場面は骨造成を行う場合など、比較的多く、インプラント外科医はその手技を確実に施行できなければならない。一次閉鎖するときの減張切開時の縫合では、粘膜を縫合する部分で1mmは重なり合うなど余裕をもった縫合でなければならないことは言うまでもない。
マイセル、マレットに関しては現在のインプラント外科ではほとんど用いない。採骨に関しても、Ridge Expansion 法においても他の器具で十分できるので、患者さんに振動を与える外科器具を使うことが低侵襲の治療とは呼べない。なるべく避けるべきであるが外科の基本として記す。
手術のやりやすさは、第2助手の十艶の展開であると教わったその通りである。インプラント外科で第2助手がつくようなぜいたくは、今のインプラント外科にはあまりなく、また、第一助手が十艶展開するのが現実であるがそのときに選択が大切なものが鈎である。
口角鈎なども術やを展開するのに優れている。鈎で患者さんの口角に擦か創を作らないようにすることは助手の注意すべき点である。