下顎臼歯部少数歯欠損インプラント症例ケース05

右側下顎第2小臼歯(#45)、根尖性歯周病により保存不可と診断、抜歯後2か月での待機埋入症例

(40歳代 女性)

右側第2小臼歯(#45)の動揺と排膿を認め,疲れると同部に腫脹を生じるとのことであった。咬合痛で十分に噛めないために抜歯を希望した。

保存不可能と診断し、抜歯を行い約2か月でCTと口腔内の模型を採得し、インプラント埋入を行い、埋入後2か月で上部構造を装着しインプラント治療とした。

なんでもよく噛めると喜んでおられた。


LANDmarker(iCAT)の画像。補綴主導を考え埋入位置を計画。


LANDmarker(iCAT)による埋入シミュレーション画像。右側第2小臼歯部(#45)

骨欠損が大きいように診えたが、骨質診断(参考値)を診ると幼弱な骨がある。切開して骨を壊してしまうよりも、フラップレスにして骨を保護することを選択した。


iCATから送られてくるドリルプロトコル。手順に沿って進めていく。


Landmark Guide(iCAT)の的心ガイドを装着した所見。

FINESIA HA Tapered type(京セラ)直径3.7/長さ12mm(右側下顎第2小臼歯:#45)を埋入する計画とした。サーキュレーションメスは的心ガイドにドリルキーを入れ、直径3.7で行った。可動粘膜までの固有歯肉の幅を確認することが重要である。


サーキュレーションメスによって、固有歯肉のインプラント埋入部位に粘膜の開窓を行っている。歯肉粘膜が丸く骨まで切開されている。可動粘膜までの固有歯肉の幅が十分に確保できている。


サーキュレーションメスによって、切開された歯肉を鋭匙を用いて、除去し、骨面を露出させている。出血はほとんどない。


的心ガイド(iCAT)を用い、的心パイロットドリル 直径3.7mm用(京セラ)でドリリングを行う。


直径3.7mmの的心パイロットドリル(京セラ)でのドリリング。位置や角度はガイドによって規制されるため、きちんとシミュレーションをしていると事故などは起こらない。


的心ガイドドリル 直径3.7mm用 ロング(京セラ)で最終深度までのドリリングをおこなう。ストッパーリング(↓)で深度の調整を行っている。


直径3.7mmの的心ガイドドリル(京セラ)でドリリング時。ストッパーリング(↓)で深度の調整を行っている。


#15部にインプラント埋入窩形成後、インプラントの埋入を行っている。

インプラントタイプ及びサイズ:FINESIA HA Tapered type 直径3.7mm/長さ12mm(京セラ)


#15部へのインプラントの埋入後の口腔内所見。


右側下顎第2小臼歯部に埋入を行い、ヒーリングアバットメントを付けた口腔内所見。出血などはほとんどない。

手術内容:右側下顎第2小臼歯部(#15)インプラント埋入術
埋入トルク:25N/cm
麻酔:笑気鎮静・モニター下
局所麻酔:2%キシロカイン(1/80,000Epi) 3.6ml
手術時間:11分


埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。


上部構造装着時の確認Dental X-P


最終補綴物装着時の口腔内所見。

治療後、食事時によく噛めるようになったと喜んでいただけた。


最終補綴物装着時の口腔内所見。

機能面も十分に回復でき、患者さんは喜ばれていました。第2小臼歯は咬合、咀嚼機能において重要であり、インプラント補綴によりしっかりとその機能を回復することができた。

 

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