右側側切歯 歯根破折による抜歯即時症例(30歳代 男性)
LANDmaker ver6.55 (iCAT) での解析 3DCTと模型の融合画面上でのアクセスホールの位置確認。既存歯牙の基底結節を意識して計画した。
CT診断画像。抜歯即時になるため、初期固定を考え皮質骨の位置を意識した埋入位置とした。またL14mmのインプラントを選択した。唇側の骨についてはCTでは薄いため確認はできないが、破折部位の状況から温存されている可能性は高いと診断した。
天然歯との距離:遠心1.7m・近心1.5mmでそれぞれ1.5mm以上確保できていることを確認。
唇側の歯槽骨を温存させることに注意して抜歯を行う。抜歯後の唇側の骨保存が非常に重要である。
抜歯中:唇側の骨の温存を指で感じることも重要である。
FINESIA(京セラ)Bone Level Tapered 直径3.4mm/長さ14mm埋入症例。
iCAT マルチガイドでφ2mm でドリリング深さは14mm。
現時点では、FINESIAサージガイド用ドリルが開発中の為、iCAT社製マルチガイドを使用している。2017年12月以降には、FINESIAサージガイド用ドリルも上市予定である。
iCATマルチガイド 直径3mmでドリリング、手指でガイドをしっかりと抑えて固定させることが重要である。
マルチガイド(iCAT)ではメモリを確認しながら深さを決定することになり、メモリをよく見て確認しながら慎重にドリリングを行うことになる。
また、iCATマルチドリルではストッパーも用意されており、部位によって見えづらい場合はストッパー使用するとよりストレスなくドリリングができる。
インプラント埋入窩が形成できれば、インプラントの埋入を行う。FINESIAの埋入であるがストッパーがついており適切な深さでの埋入が可能になる。この時点では、インプラント体の長さから、最終的な深度調整は、骨の状態を見ながらガイドを外してから行った。
インプラント体の埋入:インプラント体がガイドに誘導されながら適切な位置・方向で埋入されているのがわかる。
一定の深さまで埋入し、ガイドを外したところである。深度に関しては抜歯窩の状態を見ながら決定する。残存骨の触診と深度調整が重要となる。
ヒーリングアバットメント(長さ6mm)を装着時。その後、唇側の骨とインプラント体とのギャップに人工骨で骨補填するが、その場合、カバースクリューを装着して骨補填を行ってから、ヒーリングアバットメントに変えることも多い。
ヒーリングアバットメント装着後の所見。唇側の骨とのギャップならびに骨を造成する目的もあり人工骨を添加する。フラップを開かなくても骨のレベルなどは短針などで触診することで分かる。
人工骨の補填。人工骨には高気孔率の材料であるアパセラム-AX GA-1(京セラ) (顆粒径0.6mm~1.0mm)を用いた。
袋状に展開した粘膜骨膜下ならびに歯槽骨とのギャップに骨補填を行っている。
人工骨の補填。人工骨には高気孔率の材料であるアパセラム-AX GA-1(京セラ) (顆粒径0.6mm~1.0mm)を用いた。
袋状に展開した粘膜骨膜下ならびに歯槽骨とのギャップに骨補填を行っている。
骨補填材が、インプラント埋入窩から、こぼれ出ないように縫合する歯肉部の若干の陥凹に関しては患者さんとお話しして同意を得ている。そのための結合組織移植などは一部の歯科医師のエゴといえるかもしれない。
手術内容:#22 抜歯術・抜歯後インプラント埋入術 初期固定20N/cm
麻酔:笑気鎮静・モニター下、局所麻酔2%キシロカイン(1/80,000Epi) 3.6ml
手術時間:18分
埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。
印象採取時の確認Dental X-P
最終補綴物装着時の確認Dental X-P
最終補綴物装着時の口腔内所見