根破折による抜歯後待機埋入症例 (30歳代 女性)
食事中、バキッという音とともに右側第一小臼歯部(#14)に痛みを覚え、差し歯が動揺したとのことで、当クリニックに来院。メタルコアの部分から動揺しており、容易に脱落し、残根状態であったために抜歯した。その後、2か月ほどしてインプラント埋入を計画、インプラント治療による審美的、機能的な回復を行った症例です。
LANDmarker(iCAT)にワックスアップを取り込み、アクセスホールの位置も確認。
補綴主導のインプラントとして問題ないことを確認している。
LANDmarker(iCAT)の画像。
隣在歯と近接しているが、天然歯と1.5mm以上の距離を確保できている。
骨質(参考値)を診ると、抜歯窩ということもあり柔らかいことが想像される。インプラントの長さをL12mmとし、洞底に当てることでバイコルチカルな支持で初期固定を得られるよう計画した。狭いスペース、的確な深度コントロールのためにサージカルガイドは必須である。ただ、フリクション(摩擦)による疑似トルクを感じるので、埋入後のトルク値確認を怠らないようにする。
Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)を装着したところである。臨在歯とガイドの適合性を確認してきちんと装着できているかどうかを確認する。
Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)を用いて、的心サーキュレーションメス 直径3.7mm用(京セラ)で固有歯肉に丸く切開を行っているところである。
ガイドに沿って正確に切開を行うことができる。
サーキュレーションメスで固有歯肉に行った切開により固有歯肉を除去しところである。骨面が観察できる。
FINESIA Bone Level HA Tapered type(京セラ)直径3.7mm/長さ12mmのインプラント体を埋入する計画を立てた。
Landmark Guide 的心ガイド(iCAT)を用い、的心パイロットドリル step1 直径3.7mm用(京セラ)でインプラント窩の形成を行っている。
ガイドを手指できちんと抑えて固定することが重要である。
的心ガイドドリル 2step 直径3.7mm用(京セラ)にて最終形成を行う。
ガイドに沿ってストッパーまでドリリングしている。ドリルとガイドがこすれるような音がしたり、抵抗がある場合には、角度がずれていることが考えられる。スムースにドリリングできることが重要である。
インプラント埋入窩形成後、インプラントの埋入を行う。
インプラントタイプ及びサイズ:FINESIA HA Tapered type 直径3.7mm/長さ12mm(京セラ)
インプラント埋入窩形成後、インプラントの埋入を行う。
インプラント体がガイドに誘導されながら適切な位置・方向で埋入される。
サージカルガイドを外してインプラントの埋入位置、深度などの確認を行う。予定された位置、深さに埋入されている。出血もほとんどない。
ヒーリングアバットメント装着時の所見。4mmのヒーリングアバットメントが選択されている。
ヒーリングアバットメントの装着後の所見。止血にも貢献していると思われ、出血はない。
手術内容:右側上顎第一小臼歯(#14) インプラント埋入術
トルク:10N/cm
麻酔:笑気鎮静・モニター下
局所麻酔:2%キシロカイン(1/80,000Epi) 3.2ml
手術時間:9分
埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。
印象採得時の確認Dental X-P
最終補綴物装着時の確認Dental X-P
最終補綴物装着時の口腔内所見
最終補綴物装着時の口腔内所見
患者さんはブリッジではなく、インプラント治療を受けられたことを喜んでおられ、見た目にも良く、歯が戻ってきたと喜んでおられました。手術も短時間で終わり、3か月で上部構造(歯の部分)が入ったことでも満足していただいた。