インプラント手術の診断・手術の変遷

インプラント手術がパノラマ画像のみで行われてきた現実を今振り返るとまだ、そのような時代遅れの治療をしている歯科医師がいるのかと恐ろしくなる。

時代は進歩し、歯科医学も同様に進歩している自分の家族に、一世代前の治療を行うのか、ベストの治療を行わないのかと疑問を持つ。

インプラント診断はCTによりなされ、そのCT値で骨質まで診断し、そして、望むべくはCTなり何らかの画像でオステオインテグレーションがなされているかの診断まですべく研究がなされるべきである。(2016年)

 

過去をみるとオルソパントモX-Pだけで埋入するインプラントの長さや太さを決め、大きく粘膜骨膜弁を開き、直視にて行っていた時代が続き、その後、医科用のCTにて顎下腺窩に形態や下顎骨の形態を確認して一定のリスク回避をする時代、そしてシミュレーションによって画像上でインプラント(画像)をシミュレーションして長さや太さを決定する時代を変遷した。2004年から、国内ではiCATが大阪大学歯学部のベンチャー企業として、CAD/CAMによるサージカルガイドによる手術支援を行うようになり、欧米企業での同様のサージカルガイドの使用もあいまり、新しいガイデッドサージェリーの時代を迎えた(新谷はこれを3Dテクノロジーインプラントと呼ぶ)

2005年当時と2016,2017年の今を比較すると、インプラント治療を取り巻く環境も大きく変化している3次元的に顎骨を観察するのに必須のCT撮影装置は確かに3分の1程度までコストも下がり、大学病院や他の画像診断をしていただける施設への紹介をして撮影してもらう時代から、自院でCT撮影装置を購入してルーチーンに撮影、解析る時代になった。

その意味では、補綴主導型のインプラント治療は、顎骨の立地的な構築も加味してシミュレーション、設計を行うことが十分にできるようになってきた。ここで、記載したいことは

  • CT画像はインプラント治療にとって必須であり、CT画像なしにインプラント埋入を行い、何らかのトラブルならびにアクシデントが生じた場合には歯科医師は、まず裁判で負ける時代であるということである。
  • そのCT画像も従来のアキシャル、サジタル、コロナルの垂直ならびに直行する断面【医科用のCT】での画像で診断する時代も終焉を告げている。インプラント軸(ある意味で斜め:オブリーク断面)で観察しなければインプラント埋入に関しては、はなはだ不十分であることがわかってきている。

  • その意味では従来のMPR (multi-planar reconstruction)が垂直ならびに直行画面(いわゆる医科用のCT画面)にしか対応していない時にはビューワーをゆっくりと動かして、3次元的な骨の状態、特に、形態を把握しなければならない。

 

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