右側下顎第1大臼歯 欠損症例 部分床義歯からインプラントにした症例
(40歳代 女性)
右側下顎第1大臼歯(#46)は欠損しており、義歯によって補綴されていた。義歯の脱着や外すことなどに煩わしさを感じることからインプラント治療希望して当クリニックを受診された。
インプラントの利点欠点についてお話しし、インプラント治療を選択することになった。
CTと口腔内の模型を採得し、インプラント埋入を行い、埋入後2か月で上部構造(歯の部分)を装着しインプラント治療とした。しっかりなんでも噛めると喜んでいただけた。
LANDmarker(iCAT)の画像。補綴主導を考え埋入位置を計画。
LANDmarker(iCAT)による埋入シミュレーション画像。右側第1大臼歯部(#46)。
インプラント埋入予定の手前の天然歯の根が傾斜しており、接触に注意しながらドリリングする必要がある。サージカルガイドを使用すると安心である。
Landmark Guide(iCAT)の的心ガイドを装着した所見。
FINESIA Bone Level HA Tapered type(京セラ)直径4.2/長さ12mm(右側下顎第1大臼歯:#46)を埋入する計画とした。
サーキュレーションメスによる固有粘膜の切開は直径3.4mm用で行う。そのことで固有歯肉の幅を確保できる。
サーキュレーションメスによる切開と固有歯肉を除去した口腔内所見。可動粘膜との間に幅があり、問題ないと考える。インプラント周囲に固有歯肉がないと容易にインプラント周囲炎を惹起することからインプラント治療においては、この点に留意しないといけないことは言うまでもない。
的心ガイド(iCAT)を用い、的心パイロットドリル 直径3.4mm用→的心ガイドドリル 直径4.2mm用とドリリングを行う。軋み音や何か抵抗を感じるようであれば、インプラント埋入窩の形成において、ガイドの示す形成窩と術者が形成しようとする方向や位置が微妙にずれていると認識する。サージカルガイドのせいにして強引なドリリングを行ってはいけない。真上から手を添えて軽く押し込むようにするのもよい。
ドリリングが終了したら、インプラント形成窩を確認し、インプラントの埋入を行う。手指でサージカルガイドがきちんと固定されていることを確かめながら行うことと、トルクのかかり具合にも留意して行う。
右側下顎第1大臼歯部(#46)へのインプラントの埋入後の口腔内所見。
ヒーリングアバットメントを装着している。
インプラントタイプ及びサイズ:FINESIA Bone Level HA Tapered type 直径4.2mm/長さ12mm
手術内容:右側下顎第1大臼歯部(#46)インプラント埋入術
埋入トルク:35N/cm
麻酔:笑気鎮静・モニター下
局所麻酔:2%キシロカイン(1/80,000Epi) 3.6ml
手術時間:8分
埋入後、パノラマX-Pにて状況の確認を行った。予定された部位に埋入されている。右は最終補綴後のデンタルX-P所見。
最終補綴物装着時の口腔内所見。
治療後、臼歯部でよく噛めるようになり、食事が楽しくなったと喜んでおられた。